August 2017

お知らせ/週刊金曜日

週刊金曜日1147号(8月4日発行)にペドロガオンとポルトガルの森林火災の記事が載りました。短い記事ですが、読んで頂けると嬉しいです。

http://www.kinyobi.co.jp/

ペドロガオンその後

 

ペドロガオンの大惨事から2週間経った7月1日、ユーカリの単一植林に抗議するアクションがリスボンの国会前で行われた。山火事で大きな影響を受ける私たち、ポルトガル中部に住む地元移民コミュニティからも25人程が参加した。

インターネット上では、かなり大きな抗議行動になりそうな印象だったが、ふたを開けてみると、参加者は60人程度。地方から3時間もかけてやって来た私たちのグループが最大だった。土曜日で誰もいない国会、報道陣も来ない。主催者がマイクを握って、「ペドロガオンを繰り返すな!」「ユーカリはいらない!」 と空っぽの国会に向かってシュプレヒコールを繰り返しても、やっぱり盛り上がらない。

毎年、ものすごい件数の森林火災が発生する。今年は64人も亡くなっている。なのに、この関心の低さは何だろう。ポルトガル人の参加者は「ポルトガル人は、自分の尻に火がついた時だけ行動するんだよ。賃上げ闘争だったら、すぐに集まる」と言う。ホントにそんなものなのか?

が、思い返せば東京に住んでいた頃は私も、地方の問題には鈍感だった。関心はあったし、頭ではわかっているのだ、環境破壊、ダム、米軍基地、原子力発電等など、全て自分の生活に関わっているのだということ。けれども直接、影響を受ける人達の痛みを身体感覚として感じることはあまりなかった。

たった270グラムの命/ティシアがやってきた

道路脇に小さな毛糸玉のような赤ちゃんネコがうずくまっていた。目が開かず、危険に曝されていること等、全くわかっていない。鳴くでもなく、ただうずくまっていた。

放っておけずに拾い上げ、家に連れて帰った。よく見ると目が開いていない。生まれたばかりだからかも知れないが、明らかに何かの感染症で腫れている。息づかいも荒い。すぐに獣医に連れて行った。治療して完治したら、里親を探すつもりだった。

だが診断は思わしくなかった。ウイルス性結膜炎で右目は手遅れ、左目は治療で或る程度回復が期待できるが、どのくらい見えるようになるかはわからない、と言われた。感染症の治療と左目の温存のため、早速、点眼薬と軟膏、さらに抗生物質の治療を開始した。感染は呼吸器系にも及んでいた。

朝8時から深夜12時まで、ほとんど2時間置きに、何らかの処置をしなければならない。シュウシュウが感染しては困るので、子ネコは隔離してベランダで世話をすることにした。

266グラムしかない赤ちゃんネコ。生後2週間くらいだろうか。両手ですっぽりと包み込める。声もまだ出ない。缶詰のウエットフードは口まで持って行けば食べるが、排泄には補助が必要だ。無力で弱々しい、としか言いようがない。放っておいたら、簡単に死んでしまったことだろう。

タブアの山火事

 

8月8日午後、庭仕事に取りかかろうとしていた矢先、タブア消防署のサイレンが鳴り響いた。山火事だ。庭から空を見上げても、庭木が邪魔をして、どこから煙が立ち上っているのか見えない。二階のベランダに出ると、目の前の丘の向こう側に黒い煙が細く立ち上っている。fogos.ptのサイトを見ると、直線距離で3キロ程のヴァルジアとカンドーサ村のあたりが出火元となっている。間もなく、空中消火機(消火機能のある飛行機やヘリ)が活動を開始。最初は2機、すぐに7機に増えた。

20分くらいで一時、煙の量が減ったので、初期消火が功を奏したかと思ったが、すぐに黒煙が広がり始めた。空中消火機は家の真上をひっきりなしに往復する。運良く、家は風上にあるので、突然風向きが変わらない限り、大丈夫そうだ。それに、家と火災現場の間には四車線の高速道路もある。それにしても、低空飛行する航空機の騒音はかなりのものだ。2機ずつ、南方から現場に接近し、消火活動後は北に抜けて行く。山火事はもちろん心配だが、航空事故も心配になった。燃料を積んだ飛行機が落ちたら、あっという間に火の海だ。