クリスマス、年末年始
毎年、隣のアリスの家に集まってクリスマスを祝った。アリス、娘のエレナ、その息子家族と息子の妻の両親、そして私たち。もう、そんなクリスマスの宴は行われない。アリスのいない家は暗く、村人が集まった彼女のキッチンは冷え切ったままだ。
それでも、クリスマスを家族と過ごすことができるようにするために、移動規制は緩和された。私たちが住む地域ではコロナの感染者数が低く、3段階評価で一番下、元々、移動規制はされていなかった。クリスマス当日は同じ地域に住む友人と、感染者数が高く通常ならば移動が規制されている地域に住む友人、いつも集まる6人で英国風ベジテリアンのクリスマス料理を楽しんだ。
25日は冬にしては格別に暖かく、午後1時に友人の家に到着した私たちは南側を向いた庭で暖かい日差しを浴びながらスパイスを入れて温めたワインとミンスパイを楽しんだ。友人宅の周りの林を散歩する。と、突然、友人の一人が「あっ、きのこだわ!」と声を上げた。見ると、落ち葉の陰に白っぽい黄色のきのこが顔を出している。Pied-de-mouton、羊の足という名のきのこだ。英語ではヘッジホッグとも呼ばれている。日本語ではシロカノシタという。「おいしいのよ、これ!」 私は初めて見たが、他の友人は皆、知っていたようだ。クリスマスの食事前の散歩がきのこ狩りなった。気をつけて周りを見回すと、落ち葉の隙間のあちこちに見える。うわあ、ここにもある、あそこにもある...。きのこ狩りの準備などしていなかったので採れたきのこを入れる袋などない。帽子をかぶっていた男性諸氏が帽子を差し出す。あっという間に、帽子3杯分のきのこが採れた。思わぬ見つけものに大満足。ベジタリアン・グレイビーに入れて、早速、楽しんだ。
午後ゆっくりしたクリスマス・ディナー。それからゲーム。そしてクリスマス・プディングとケーキ。薪ストーブがちろちろと燃える。暖かくて静かな夕べ。コロナ禍は影響の多少はあれ、世界中の人の生活に陰を落としているのだろう。イエス・キリストが生まれたとされるベツレヘムには今年は巡礼も観光客も来なかったと聞いた。
クリスマスが終わり、移動規制がまた引き締められた。12月31日から1月4日午前0時まで、外出が許されるのは午前5時から午後13時までのみ。大晦日は連れ合いと二人で自宅で静かに過ごした。元旦は他にやることもないので、植木の剪定を始めた。ここ数年間、12月初めに寒波が訪れるとその後は寒さが和らぎ、穏やかな冬となっていた。今年は12月初めの寒波がなく、暖かな日が続いた。それが1月に入ってから寒くなった。正月から1月なかばくらいまで、予想最低気温はマイナス2、3度。北向きの土地では実際にはマイナス5度から6度くらいまで下がる。それでも、遠出ができないので家の周りの散歩、庭木の手入れなど、普通ならば新年が明けてゆっくりしてから始める作業を元旦当日から始めた。家の周りを散歩していると、友人宅の周りで見つけたシロカノシタが群生している場所を何箇所も発見した。こんなに身近にあったのに、これまで、全く気づかなかった!
1月4日になると移動規制が再度緩和された。だが、この地域ではクラスターが発生している。6日には私たちが住む地域は4段階の一番下、中程度からいきなり一番上の最高レベルになったと聞いた。この週末から、厳しい移動制限や店やレストランなどの営業短縮が課されることになるようだが、それがどのような内容になるのだか、はっきりしない。
ところで、クリスマス期間はイエス・キリストの誕生を祝って3人の王が贈り物を持ってやってきたという1月6日に終了する。6日の夜、町に出かける用事があった。町の入り口となるラウンドアバウトで、王に扮して馬に乗った3人と出会った。3人の「王」は優雅にラウンドアバウトを通過して町に入っていった。道行く人は数えるほどしかいなかったが、皆、しばし足を止めて、暗い夜道を高らかな蹄の音を響かせながら歩いて行く馬上の王に見とれていた。
- Log in to post comments