ステイケーション Staycation

コロナ禍でも都市部以外でなければ、ポルトガル国内は比較的自由に行き来できる。リスボンやポルトは地方よりも感染者数が格段に多いため、行き来が制限されたりする。

より厳しく移動が制限されている英国では、海外の休暇に出られないため、国内で我慢する「ステイケーション」が流行っているという。Stayステイとvacationバケーションを併せた造語である。

私たちも9月初めに一週間、ポルトガル南部に旅行しようかと思っていたが、取りやめた。今まで行ったことがないアルガルベに行こうと思ったのは、今の時期ならば、通常溢れかえっている観光客−大多数が英国人−が来ていないからだ。海岸が美しく、通年温暖な気候でリゾート地として人気がある。

それはいいのだが、パーティタウンとして人気があるため、マナーの悪い観光客も多い。物価が安いポルトガルに来て、安く酔っ払おう...と。そういう(もちろんそれだけではないが)観光客目当てのバーやレストランも多く、外国人観光客のために共通語はほぼ英語だとも聞いた。

英国人の連れ合いがそんなにガラの悪い英国人観光客は見たくもないし、外国人観光客に媚びるポルトガルもいやだ、とこちらに移住して16年近く経つが、まだ、訪れたことがない。それで、今はチャンスだ! ということになったのだが...。

取りやめた理由はコロナではない。森林火災である。8月は冷夏で、最高気温が25度前後の日が続いた。最低気温も10度から15度くらい、9度まで下がった日もある。9月に入って、夏が盛り返してきたのか、高温が続いている。夜は涼しいのだが、昼間は35度くらいまで気温が上がり、夕方になると風が吹き始める。家の周辺では大規模な森林火災は発生していないが、北部やリスボン周辺では連日、発生している。

そこで、自宅でステイケーション。庭に大型のテントを張ってキャンプをしている。要するに、夜寝るときだけテントで他の生活は通常通り。庭にはコンポストトイレもあるし、シャワーもある。家で生活するよりも、星空を眺める機会も増えるし、狐やフクロウの鳴き声も聞こえて来る。なぜだか、よく眠れる。

ポルトガルは9月10日から英国(北アイルランドを除く)の検疫リストに再登録された。つまり、ポルトガルから英国に行った場合(帰国であっても)2週間、検疫のために自己隔離しなければならない。当分の間は英国からの観光客は来ないだろう。ポルトガル南部への旅行は一雨降ってから、と思っている。

 

写真は上から

庭に張ったテント。大型なので居心地は満点

9月7日の昼頃に発生したOliveira de Fradesの森林火災。この写真は夕方5時ごろのもの。

一度は鎮火したものの、再燃し、翌日8日の午前中も、かなりの勢いで燃えていた。この火事で、消防士が一人、命を落としてしまった。