オーストラリアの森林火災—動物たちは生き残れるのか
2万5千頭。オーストラリアのカンガルー島で森林火災の犠牲となったコアラの推定頭数である。もともと、この島には5万頭のコアラが住んでいた。コアラは危機が迫ると、ユーカリの木の一番高いところに登って体を丸めて危機を乗り切るという。森林火災では、これが仇になった。
森林火災の犠牲となったのは、当然ながら人間だけではない。カンガルーも、馬も、数え切れないほどの小動物も、鳥も、爬虫類も昆虫も犠牲となった。
生き残った動物は、住んでいた森などが焼失したせいで帰れる場所がない。終わりの見えない干ばつで、水も食べるものもない。コアラ動物病院に保護されて手当を受けているコアラは野生に戻されたら、生き延びるのは相当困難だろう。
水と食べ物を求めて人間の生活圏に押し寄せ始めたラクダ達を人間の安全を脅かすからという理由で、ヘリコプターから銃殺すると言う話を聞いた。 これだけ動物が犠牲になったのに、その上、生き残ったもの達を射殺する? 耳を疑った。その後、5千頭の野生のラクダが犠牲になったと知った。射殺された野生のラクダは1840年代に入植者が現地調査や物資の輸送、鉄道建設などの労働力として輸入したラクダの子孫だ。勝手に連れてきて、人間にとって危険になったからと射殺するなんて、信じられない。他にも、救いようのなくなった馬などが射殺されている。水を求めて水場にたどり着いても、干ばつで水がない。そこで死んでしまうと死骸によって水源が汚染されてしまう。
より便利な生活と経済成長のため、人は山を切り崩し、原生林を伐採し、海を埋め立て、ダムを造り、原発を開発し、自然を破壊して天然資源を搾取し続けてきた。犠牲になった生き物達を振り返ることはほとんどなかった。自己都合で生き物の命を奪う。一体、私たちは何なのだろう。科学の発達で人間は驕り高ぶり自然は支配するもの、自分たちは神になったとでも錯覚しているのだろうか。
数年前、友人の自宅近くで森林火災が発生、頼まれて消火の手伝いに行った。作業中に、カエルの死骸を見つけた。早く動くことができない体で迫ってくる火から必死に逃げようとしたのだろう。出した前足が宙に浮いたまま死んでいた。カエルは叫ぶのだろうか。断末魔の叫びをあげたかのように、口を大きく開けていた。高熱の火力で瞬時に体液が蒸発したのだろう。乾いたその屍体を持って帰って 、二度と熱い思いをしなくてもすむように、池のそばの湿った土に埋めた。
オーストラリアの森林火災のニュースでは、火傷を負って、動物病院に連れてこられた「運の良い」動物達の写真が次から次へとニュースサイトにあげられる。見るたびに胸が痛くなる。
カンガルー島の惨事を伝える記事
https://www.bbc.com/news/world-australia-51102658
野生ラクダの射殺を伝える記事
火傷をしたコアラの治療支援金を募集する名古屋の東山動物園
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020012302000252.html
写真は上から
死んでしまったカエル
四肢に火傷を負ったコアラ
火傷したカンガルー
逃げ惑うカンガルー。安全な場所はあるのだろうか。




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