新年の温泉旅行 その1

久しぶりの小旅行。南に行こうか、北に行こうかと考えた末、北の温泉に向かうことに決めた。

第1日目。最初に向かったのはソアージョ。ポルトの北西、スペインとの国境近くの村である。ここには、エスピグエイロシュと呼ばれる、トウモロコシを貯蔵する倉がある。同じようなスタイルの倉そのものは、地方によってはそんなに珍しいものではない。けれど、村の一箇所にまとまって建てられているものは見たことがなかった。

ペネダ山脈国立公園に入っていくと、2週間前の豪雨の影響がまだ残っているのだろう、あちこちにプチがけ崩れや大雨の後にだけ現れる小さな滝が見えた。

...と、あれは何だ? 大きな角を持った牛が、道路を歩くのは当然といった風情で、悠々と道路を歩いているではないか...。かなり立派な角である。雄牛に違いない。追いかけてきたりしないのだろうかと恐々と写真を撮った。でも、牛たちは慣れているようで、ちょっと顔を上げて振り向くとまたすぐに道路脇の雑草を食べ始めた。後になって、友人からあの地方には「野生の牛」がいるのだと聞いた。実際には家畜なのだが、放牧されているということだった。

そして山間の寒村ソアージュである。天気は悪くはないが、風が冷たい。新年が明けて二日目、こちらではもう平日だ。特に観光客がいるわけでもない。小さな村なので、エスピグエイロシュはすぐに見つかった。灰色の空を背景に、石の十字架が彫りつけられて花崗岩の上に林立する倉は、何だか墓石にも見える。

村の中でも高台に作られたこのトウモロコシ貯蔵用の倉には、鼠返しが付いていて、ネズミが中に入れないようになっている。高台にあるのは、風を使ってトウモロコシに混じっているゴミを飛ばすためだと聞いた。通りで風が強いわけだ。

目指す温泉はスペイン。国境を目指して車を進めたが、通行止。これも豪雨の影響である。今来た道を戻り、避けようと思っていた県道に出る。そのまま、まっすぐスペインへ! 国境には欧州共同体になる以前に使われていた税関と移民局の建物が国境のこちら側とあちら側にひっそりと建っていた。そこを過ぎると、もう、スペインだ。

目指すのはOs Banos。カルド川の川辺に露天風呂があるのだ。何年か前に通りかかったことがある。この露天風呂のすぐそばにペンションが今日の宿だ。

到着してまずは温泉。水着に着替えて、ダウンジャケットを羽織って、日が陰って気温が落ち始めた道路をサンダル履きで歩く。ちょっと寒い。

でも...。露天風呂の周りにダウンジャケットを置いて、露天風呂に飛び込むと、ぬるめではあるが、正真正銘の温泉。湯煙の中に温泉を楽しむ人たちが20人くらいはいただろうか。ポルトガル語、スペイン語、ロシア語が飛び交う。ここはポルトガルの国境からスペインに入って7Kmほどの地点。スペインの片隅に、こんなに国際的な温泉があった!

 

写真は上から

うわっ! 目が合ってしまった!

実は怖くない。

群立するエスピグエイロシュ

夜の露天風呂