悲しい週末
土曜日にペドロガオン・グランデで発生した森林火災で64人が亡くなった。毎年、ポルトガルでは数えきれない程の森林火災が発生するが、村が全焼失し、こんなにも多数の人びとが命を失うような過酷な森林火災は聞いたことがない。
先週金曜日からイベリア半島全域で熱波警報が出され、日中最高気温は38度を超えていた。灼けつくような日光が容赦なく照りつける土曜日の午後、ペドロガオン・グランデの川岸は涼を取る人びとでにぎわっていた。そこに落雷が発生し、数カ所から火災が発生、避難を始めた人びとは主要道路に出る途中で炎に囲まれ、前に進むことも戻ることもできず、混乱の中で衝突事故が発生し、自家用車の中や徒歩で避難しようと自家用車から出たところで亡くなった。
地元ポルトガル人は、昔はこんなに森林火災は発生しなかったと言う。地球温暖化の影響はあるだろう。だが、地面から水分を吸い上げて急成長するユーカリの木の影響は大きい。ユーカリはポルトガルでは現金作物である。トイレットペーパーになってヨーロッパ市場で消費される。ヨーロッパのトイレットペーパーはポルトガルで作られる、とも言われる程だ。だが、地元では水不足の原因となる。
ユーカリが植えられると、周辺の井戸や水源が枯れる。ユーカリの森では他の樹や植物が育たない。ユーカリの葉が酸性だからだ。多様な植物がなく、水がないから鳥も虫もこなくなる。しかも、よく燃える。
今回の大惨事発生現場の写真や映像を見ると、燃えているのはユーカリの木だ。だが、それがユーカリの植林地だったと指摘するニュースはない。報道記者が都市出身で、木の種類を知らず、木が植わってさえいれば、どこでも森林と見えるからだろうか。それとも、ユーカリに経済依存しているから、意図的にユーカリの植林地だと言わないのだろうか。
いずれにせよ、火はあっという間に広がり、64人が亡くなった。ポルトガル中部に住む私たちは、毎年何度も森林火災を経験する。森林火災の60パーセントは人為的なの原因だという。つまり、放火もしくは不注意だ。
住みやすい環境の大切さは、実際に田舎に住んでいないとなかなか実感として理解できない。
関連ニュースサイト:http://www.bbc.com/news/world-europe-40336622
https://www.rtp.pt/noticias/pais/incendio-em-pedrogao-grande-provoca-19-mortos_n1008598
http://www.publico.pt/sociedade/interactivo/a-tragadia-de-pedrogao-grande-hora-a-hora
http://www.bbc.com/news/av/world-europe-40336449/portugal-fire-eyewitnes...
写真は、土曜日に家のベランダから見えた夕日。こんなに赤いのは、森林火災の煙が原因。この日、60人近くの人びとがペドロガオン・グランデで亡くなった。


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