オリーブの収穫 2025

例年だとオリーブの収穫は11月に入ってから始めるが、10月半ば以降が雨の予報で収穫日和が見えなかったので、早めに始めることにした。オリーブの実は8割がたがまだオリーブ色。周りで収穫を始めている人は誰もいない。黒く熟す前のオリーブから絞ったオリーブオイルにはピリッとしたクセのある味がある。私たちは個性的なクセのあるオリーブオイルが好きだが、地元ポルトガル人の多くはまろやかで搾油量も多い完熟(?)オリーブを好む。

毎年一緒にオリーブの収穫をするディヴ(もうお馴染み?)と一緒に、新しく入手した土地にある21本のオリーブと元から庭にある6本のオリーブの木から収穫を始めた。集中した作業をすること一週間。新しい土地のオリーブは15年も放置されていたので、実はあまりつかないだろうと思っていたが、嬉しいことに豊作。380キロのオリーブが収穫できた。

友人が持ち込んだオリーブも合わせて約600キロのオリーブを操業開始、間もない搾油所に持ち込んだ。朝6時起きで8時に搾油所に到着。それからず〜〜っと待って午後の14時半くらいにやっと搾油の最初の工程である計量。実際の搾油作業が始まったのは16時半くらい。作業が終わって搾油所を出たのは19時過ぎ。長かった! だが、これは順調に済んだ方。何はともあれ、最初の搾油が終わった。万が一、2回目の収穫ができなくとももう今年は大丈夫。気持ち的にはかなりの余裕ができる。

搾油所では番号札をとって順番を待つが、いつ自分の順番が来るかはその時ならないとわからない。何トンものオリーブをトラックで運んで来る人がいれば大幅に遅れるし、夜遅くなって来ない人が出ればあっという間に自分の番が回ってくる。順番が過ぎてしまったら、また新たに番号札を取らなくてはならない。

次の一週間は雨の日が続いた。この頃になってオリーブの収穫を始める人がポツポツと目につくようになった。続く一週間は快晴の予報だったのに、直前に予報が変わって雨は降ったり止んだり。それから先の予報も思わしくない。雨の合間を縫って収穫を再開することにした。一週間の集中作業で約500キロの収穫。

ディヴが番号札を2枚取ってきた。翌日のお昼頃には搾油作業が始まるだろうと、当日朝に様子を見に行ったら、夜間、来なかった人がたくさんいたようで、もう順番が過ぎていた。新しい番号札を取って、搾油作業に入ったのはその日の夜10時半。豪雨と強風と雷が入れ替わり立ち替わりという嵐の空模様。それでも辛抱強く自分の順番を待つ人が搾油所にはあふれていた。

搾油所の台所は夕食の時間はとっくに過ぎているのにごった返している。調理に使った暖炉がまだ暖かい。テーブルの上や床には5リットルのワインボトルがいくつもある。「どうだ、いっぱい飲むか?」 今年のオリーブの収穫が終わったのだ。収穫は楽しいが、終わると流石に疲れを感じる。ポルトガル人は元気である。冗談を飛ばしながら、搾油が終わるのを待つ。和気藹々で誰もがハッピー。束の間の絆、この場限りの運命共同体あるいは連帯?

昔は遠くからロバの荷車にオリーブを積んで運んできたのだろう。順番を待つ間、搾油所の周りで寝泊まりして、搾油所の台所にある暖炉で魚や肉を焼いて食べながら、遠方から来た、見知らぬ人たちとワインを飲み、冗談を飛ばしながら時を過ごしたのではないだろうか。

さて私たちは台所で自分たちの搾油が終わるのを待っていた。真夜中を過ぎると、椅子に座ったままうとうと。オリーブオイルが出てきたのが夜中の2時くらい。ポルトガル暮らしの真髄である。

 

写真は上から

収穫下手のオリーブ

オリーブの収穫

オリーブの収穫

搾油所に積み上げたオリーブ