第三十日目 グラース(フランス)泊

ニース大学で夏季フランス語集中講座をとったことがあった。留学先のカナダの学校でフランス語は必修だった。話せなかったわけではないけれど、ちゃんと話せるという実感もなかった。集中講座に行けば、少しは改善するのではと期待していた。5月末に夏休みに入るとすぐにフランスに飛び、6月中はパリ郊外のユースホステルで掃除をする代わりに無料で宿泊させてもらいながら、パリのAlliance Françiaseに通った。

宿泊者のチェックアウトが終わるとすぐに掃除を済ませて、学校に向かう。昼過ぎに授業が終わるとサーカス学校でバレエとコンテンポラリーダンスやアクロバット(!)の授業に出た。

7月のニース大学での授業に間に合う様に、パリからニースまでヒッチハイクで移動。一晩、田舎の農場で野宿した記憶がある。ニースについてから駅近くで見つけた安宿は、中年(?)の女性が一人で経営していた。30匹以上のネコがいて、その中の1匹は「ミケ」と呼ばれていた。

授業は昼過ぎまでで、放課後は大学のクラブであるコンテンポラリーダンスや演劇のワークショップに無料で参加することができた。大学のプールも無料で使えたので、ダンスのクラスがない時には泳ぎに行った。ニースの海で泳いだことはなかった。

集中講座が終わったら一緒に旅行する予定で、7月の最終週に母が日本からやってきた。週末にパリまで母を迎えに行って、TGVでニースに戻ってきた。そこまでは良かったが、私が泊まっていた安宿は母にはショックだっただろう。専用バスルームが室内にあったが、ドアはなく、カーテンで仕切られていた。私にしてみれば安ければよくて、全く気にはならなかった。母と旅行するのは、これが初めてだった。

集中夏季講座が終了するまで私は授業とダンスで忙しく、母がやることはあまりない。せっかく来たのにそれではいくらなんでもだ。ニース発の1日ツアーに参加してもらうことにした。時間的に最も予定にあったのがグラースの1日ツアー。言葉は分からなかっただろうが、気に入った様だった。いくつかの1日ツアーに参加してもらったのだが、グラースへのツアーには間違えて2回、参加させてしまった。私はグラースに行くことはなかった。

ということで、今回はグラースの郊外に宿泊。グラースは1時間ほど見て回った。冬に向かってオフシーズンだったこともあるが、観光客はぽつりぽつりといるものの、閉まっている店が多かったのと、ゆっくり見ている時間がなかったのとで、期待していたほど面白くはなかった。

グラースの香水の店。左右の器具は銅製のアレンビック(アランビック、蒸留器
グラースの街
グラース街中の八百屋さん
宿のクリスマスイリュミネーション