猫の歓待
どうしているだろうか、ウチのおネコ様。二ヶ月も1匹っきりでお留守番のシュウシュウ。甘えん坊で怖がりのシュウシュウちゃん(はい、親バカです)。一時帰国中、ずっと気にかかっていた。
これまでシュウシュウがいるからどんなに長く家を空けても二週間が限度だった。こんなに長く留守にするのは忍びなかったが、今回はどうしても連れ合いと二人で一時帰国しなければならなかった。もちろん毎日、同じ集落の友人がエサと水とトイレの掃除など、様子を見にきてくれることにはなっていた。その他にも、三組の友人が日にちをずらして家の中や庭の様子を見にきてくれてはいた。
だが、この二ヶ月間、シュウシュウの姿は誰もみることがなかった。この子はいつもそうなのだ。私たちがいれば人前に出てくるのだが、友人だけだと警戒して姿を現さないのだ。
毎日、エサが減ってトイレが使ってあるから、どこかにいるのはわかっていたが、友人が名前を呼びながら家の中や庭を歩き回っても影も形もなかったという。そのうち、シュウシュウのテーブルの前にセンサーで動くカメラが設置された。設置した友人は、新しい映像が録画されるたびにそれを送ってくれた。一ヶ月以上も経って初めて、エサを食べるシュウシュウの姿を見て、安全が確認できたのは大きかった。元気そうではあるが、たった1匹で寂しそう。ネコの孤食である。
あまり長い間留守にすると、「私の女中や下男はもう帰ってこないのだ」と思って、出ていってしまうのではないかとも心配していた。実はもう十年以上前になるが、その頃近所に住んでいた友人が三週間ほど留守にするからと猫の世話を頼まれたことがあった。その猫、カラダスは家の中には入れないようにして、納屋でエサをあげることになっていた。英国に三週間、一時帰国するはずだったのが伸びに伸びて三ヶ月に。そして二ヶ月が過ぎる頃に、カラダスがいなくなってしまったのだ。狐に食べられてしまったのだろうか。それとも愛想を尽かして出ていってしまったのだろうか。男の子だったから遠出して迷ってしまったのだろうか。それから何日も、友人の家に通ってはカラダスの名前を呼んでみたが、帰ってくることはなかった。
シュウシュウは女の子だし、家への出入りは自由。いなくなることはないだろうとは思ったけれど、あまり寂しくなったらネコの頭で何を考えるかはわからない...。
そして二ヶ月後。帰宅すると、これまで誰にも姿を見せなかったシュウシュウが屋根裏部屋から走って降りてきた。嬉しくて嬉しくてたまらないというように、足の周りにじゃれついて離れようとしない。
よかった、待っていてくれた!
それから数日間、彼女は私たちから離れようとせず、目が覚めてから寝るまでずっとおしゃべりをし続けていた。彼女の精一杯の歓待である。
ごめんね、シュウシュウ、こんなに留守番させちゃって。


- Log in to post comments