ヒッピー的婚礼の儀

どこまでも透明な水が流れ落ちる滝。心地よい木陰が広がる森。所々に散らばるピクニック用のテーブルとベンチ。アンディとベンが選んだ式場は豊かな自然の中にある公園だった。 招かれた私たちはそれぞれの庭で採れた野菜を使った料理や飲み物を持ち寄った。

 

式の始まりを告げる太鼓と歌が始まると、みんながゆっくりと楽隊(?)の後ろについて歩き始め、 七夕の飾り付けをした笹竹の下に立つ新郎新婦を囲む和になった。 明るい日差しの中、厳粛な雰囲気が流れる。進行役のアランが厳かに式を進める。「人生を共に歩むことを誓います」 二人が向かい合って握り合った手がリボンで結ばれる。

 

「もう何年も一緒に生活しているし、子供もいるし、結婚の制度はどうでもいいのだけれど、友人たちに祝ってもらいたいな、と思ったの」 結婚式に招待された時にアンディが言っていた。既存の形式にこだわらず、宗教色を極力排除して、自然の中で愛と祝福を感じたい。手作りの結婚式がどんなものかあまり想像がつかなかったけれど、これは確かに彼女が望んでいた婚姻の儀そのものだった。

 

式次第はもちろん、予定通りには進まない。式を告げる太鼓と歌は予定よりも30分以上遅れたし、スイカズラの花のシャンペンで乾杯をしようと飲み物を配り始めると誰もがおしゃべりをしているからこれが乾杯用だとは伝わらず。乾杯の前にもう飲み干してしまった人もいる。 でも、それはそれでかまわない。 山の散策に訪れた登山客が物珍しげに橋の上から見物している。

 

工夫を凝らした手作りの食事が一回りしてお腹が落ち着くと、 持ち寄った楽器の演奏が始まる。地面に敷いた敷物の上に寝転がる人、踊る人。裸足で走り回る子供たち。太陽が真上に上って暑くなると子供も大人も滝つぼで水遊びを始めた。

 

ヒッピー的なものは何故かとても居心地が良い。降臨してきた温かい「気」に包まれたこの場所で、ゆっくりと1日が過ぎていった。

写真は上から

近くの滝

式が始まる前に、子供と一緒に写真に収まる二人

共に生きていくことを誓い合う

当日が七夕だったので、笹竹の飾り付けを持って行った