コロナの規制緩和が進む英国を訪れる

英国では成人人口の約70%がコロナワクチンの接種を完了した7月半ば以降、感染者数が増加しているにも関わらず、都市封鎖(ロックダウン)の緩和を進めている。

7月半ばには、中程度の感染リスクがある国からの入国者は、ワクチン接種が完了していれば政府指定宿泊施設による隔離が不要となった(2週間で日本円にして約20万円の費用を利用者が支払わねばならず、隔離期間中はホテルの一室から出ることがほぼ禁じられ、男性警備員による女性利用者への性的暴行などが大きな問題となり、大不評だった)。

それでも、入国時には接種完了者でも搭乗72時間前の検査の陰性結果、入国国後2日目と8日目の検査は継続された。10月4日にこの規制が緩和され、接種完了者は到着2日目の検査のみとなった。英国出国時の搭乗72時間前の検査も不要となった。

二人で英国に行って、帰る間際に陽性結果が出て、揃って帰国できなくなったら困るので、連れ合いが一人で里帰りすることを考えていたが、ここまで規制が緩和されればまず問題はないだろうと、私も同行することになった。連れ合いは1年半ぶり、私にとっては3年ぶりの英国である。

ポルトガルの出国も英国入国も問題はなく、空港もコロナ以前の状態には戻っていないため、混雑もなく快適だった。

英国では久しぶりに家族が集まり、ご両親と約一週間、時には難しいこともあったが、よい時間を過ごすことができた。マスク装着は義務ではなくて推奨だったが、彼の実家に滞在したため、外出先の屋内では必ずマスクを着用した。ポルトガルを出発する2日前に、スーパーで購入できる簡易検査をやって、結果は陰性。到着してから5日目に届いた、到着2日目の検査結果も陰性だった。

さて、帰国前日。荷物をまとめていたらケータイにメッセージが。何かと思ったら、 COVID-19の検査・追跡で私がコロナ陽性者との濃厚接触があったことを知らせる英国国民保険サービス(NHS)からの連絡だった。濃厚接触が発生した日から10日間隔離し、NHSに連絡しろという。出発まで30時間を切っている。

そのメッセージには、いつその濃厚接触があったのかは書かれていなかったが、飛行機に乗る前に滞在先と連絡先を記入している。濃厚接触があったなら、ポルトガルから英国への飛行機の中しか考えられない。その時点で、英国に入国してすでに8日が過ぎていた。今更言われても...である。この連絡を受けて、再度、簡易テストをやってみた。結果は陰性。

NHSのサイトを見てみると、接種完了者は濃厚接触があっても隔離は不要だと書いてある。接種完了証明書はNHSにすでに送ってある。それなのに、なぜ?  今更、帰国できないと困る。指定書面を使ってNHSに連絡するようにという指示があった。どうしようかと思ったか、連絡することにした。そうこうしているうちに、連れ合いにも同じメッセージが届いた。

氏名、生年月日、性別(特定したくない人はしなくてもよい)、現住所...。現住所は当然ポルトガルである。入力していくと、郵便番号のところでエラーメッセージが出て、先に進まなくなってしまった。 英国居住者のみを想定しているらしく、英国の郵便番号しか受け付けないのだ。ケータイに電話はかかってくるが、こちらから掛け直すことができない。送られてくるメールに返信することもできない。一体どうしろと言うのだろうか。

この時点で、帰国を2日間遅らせる気にはなれなかった。検査結果は全て陰性だし、オンラインのチェックインも完了していた。航空会社とNHSは紐付けされているはずなので、本気で濃厚接触者を「管理」しようと思っているならば、チェックインだってブロックできたはずだ。

濃厚接触者が隔離を怠った場合、英国では10,000ポンド以下の罰金が科せられることになっている。例外として、ワクチン接種完了者は隔離が不要となる。気になった連れ合いがNHSの苦情係にメールを送った。もう、英国から出国していると書いたら、だったら別に問題ない、という返事が戻ってきた。

ちなみに、英国入国時には英国内で使われているワクチンと同じワクチンの接種が完了していればワクチン接種完了とみなされたのだが、濃厚接触者の隔離に関しては、英国内でのワクチン接種が完了している人ならば(つまり海外で、英国で認められているワクチンの接種が完了していても認められない)、濃厚接触者であっても10日間の隔離は不要ということだった。

NHSのコロナ検査・追跡プログラム、本当に機能しているのだろうか。

 

写真は上から

リスボン空港でのんびりと日光浴をする旅行者

連れ合いの実家近くの森を散歩する

リスが冬に備えて一心不乱に木の実を食べていた

ヒースロー空港はまだまだ静かだった